シルクロード旅行情報館

上海の入国審査では、機内で書いた「入国カード」と一緒にパスポートを提出。特に質問もなく、すぐパスポートが返ってきた。

成田空港を飛び立ったのがつい３時間前なので実感が今ひとつ沸かないが、中国語の表示ボードを見ると次第に心が浮き立ってくる。

唐突だけど、今ウルムチ。
ウルムチってどこよ！？
という人のためにちょろっと説明すると、中国の新疆ウイグル自治区の首府。

思った以上に遠かった。

「最新のサイバーショットだからね」

言ってもわからないけど、日本語で語りかけながら、ズームとシャッターボタンを教える。頭のいい子みたいで、一瞬で操作方法を覚えてしまった。やはり観光客なれしてて、デジカメも何度か操作しているのだろう。

クチャ市内観光の最後にとっておいたのは、クチャ大寺。モスクだ。とっておいたというか、ガイドブックの地図がアバウトで、前日歩いたのだが見つからなかったのだ。タクシーで行ったら、ちょっと奥まった所にあった。

亀茲国時代の仏教遺跡などが残るクチャ。

ただ滞在一泊だけなのと、中国銀行でＴ/Ｃの両替を受け付けていないというので、お金がかかる車チャーターしての郊外ツアー参加はやめ、市内散策と、金曜日に開催される予定のバザールを満喫することにした。

海外で列車に乗るのは、結構緊張するし、楽しみでもある。

特に今回は寝台列車。学生時代に、中国を一人旅行していた人からいろいろな話を聞いていた（当時は本当に大変だったみたいだけど）。

少し早めにウルムチ駅にやってきた。

途中駅からだと座席指定の切符を買うのは難しいということだったので、あらかじめウルムチで「クチャ→カシュガル」間の寝台切符を買えないか、試みようと思ったのだ。

トルファンの次の目的地は「クチャ」なのだが、いったんウルムチに戻ることに。

トルファンからだと、始発ではなく途中乗車になってしまい寝台席が買えるかどうかわからなかったこと。トルファンの駅が市内からちょい遠いことが理由だ。

トルファン市内散策しながら、ホテルの写真もたくさん撮った。

そんな機会があるかどうかわからないけど「次に来るならどこがいいかな？」そんなことを考えるのも楽しいもの。

トルファン最後の日。
バスターミナルで市内地図を売っているというので行ってみた。待合室の中にある売店のひとつで「要没要地図（ディートゥ）」といったら珍しく一発で通じてハッピー。

朝９時半にホテルロビーで待っていたら「もうひとり、欧米人だけどいた」と笑いながら、昨日会った客引き兼ガイドのウイグル人がやってきた。

ウルムチにもびっくりしたが、緑で埋め尽くされたようなトルファンにも、正直とても驚いた。とにかく歩道が広くてきれい。ウルムチほどの喧騒はなく、静かに散策できる。

葡萄棚が続く青年路をぶらぶら歩いていたら、突然、目指していた「吐魯番絲路緑州賓館（シルクロード・トルファン・オアシス・ホテル）」の門があった。

葡萄が実るオアシス都市トルファンも、ずっと来てみたかった場所のひとつだ。

高校生のころからだから実に20年ぶりに実現ということになる。当時自分は、（なぜか授業中なのに）図書館のすみっこのほうで、大判の写真集をよくめくっていた。

銀行でトラベラーズチェックを換金し、そこから路線バスに乗り、市の南のほうにあるバスターミナルへ。

トルファン行きのバスは、ここからでている。
（それ以外の大部分の都市へのバスは、別のターミナルから）

旅行をしていると、一日の大半をひとつかふたつのタスクで終えてしまうなんてことがある。

今回、４日目がそれだった。
トラベラーズチェックの両替と、バスでの移動を終えてほっと一息ついたら、もう夕方になっていた。

ちょっとしたこだわりで、同じ街に滞在する場合でも、ホテルを毎晩替えている。今回みたいに、ゴロゴロ転がさないといけない荷物がある時はちょっと手間だが、ホテルも旅の中で大事な「訪問スポット」。

ちょっと飛ばしすぎ？と思いつつ、久しぶりの旅行で、水を得た魚状態の自分。バスツアーの後、ホテルでちょっと仮眠をとってから、再び街中にでていった。

行先は、前日訪れてかなり興奮状態となった解放南路。

階段をのぼっていったところの右手に、レストランがあった。ツアーに昼食代金が含まれているようで、参加者はここでお昼をいただく。

遊覧船で一緒だった若い女性３人組と、恰幅のいい男性が一緒の丸テーブルになった。

到着３日目は、ウルムチ観光の目玉「天池」バスツアー。

朝９時半に集合場所にいかなくては！ということで早めに起きたのだが、７時過ぎでまだ真っ暗。

イスラム街を満喫したその足で、バスに乗って、日中行きそびれた紅山公園へ。

少し小高い場所にある、ウルムチ市内でも代表的な観光名所。

なかなか日が落ちないので、
もう二か所、まわることにした。

それは、ウイグル族が多く住む解放南路にある国際バザール。

歩き疲れたので、バスに乗ってウルムチ駅へ。
もうひとつのタスクは、寝台列車の予約。

ガイドブックには、予約は結構大変で、旅行会社に頼むのが無難とあった。

荷物を降ろし、再びホテルの外へ。
バス停がすぐ近くにあったので、地図を見ながら適当にバスに乗ってみる。

運賃はいくら？
よくわからなかったので、とりあえず足りないことはないだろう・・・と、５元を運転手に見せ、「運賃箱に入れていいの？」とジェスチャーで聞く。運転手は入れろという。

二泊目は、ガイドブックに「駅前のリーズナブルなホテル」と書かれていた「新疆飯店」。
ここもなんだか大きなホテルだなあ。

ただ中に入ってみたら、どこか安宿を思わせる暗いロビー。

２日目は、この後のチケット予約と情報収集、旅行感覚の取り戻しを兼ねて、一日街歩き。

目を覚まして２つびっくりしたことが２つ。
窓の外には、高層ビルが立ち並んでいた。

日本円で3000円台のところなので、もう少し小さなところを想像していたのだが、どでかいホテルだった（中国国内でも、ホテルは他の物価と比べると高めで、ウルムチでも高級ホテルは１万円以上）。

進行方向の地平線がうっすら赤く染まっていた。
一日が終わりかけている。

日本はもう、はるか後方。
ユーラシア大陸のかなり奥に入ってきている。

そして西安空港到着。
上海からわずか２時間半なので、機内食を食べていたらすぐ着いてしまう。

当初は「上海から列車で西安入り」というプランもあったんだけど、やっぱ飛行機にして正解だ。

絨毯工場からの帰り道、賑やかな一角があったので途中下車。

後で知ったんだけど、ガイドブックでも紹介されている、絲綢国際巴扎（シルクロード国際バザール）がある一角だった。

和田玉探しの河原へ向かう10路のバスの終点には、見学者を受け入れいてる大きな絨毯工場がある。
和田は、玉と並び、絨毯の名産地でもあるとのこと。

和田玉を探そう！

そして街中散策の後、最初に向かったのが、路線バスで街の中心部から１０分もかからないところにある「ユルンカシュ河」。

タクラマカン砂漠の南端にある町、和田（ホータン）。長距離バスで来るしかないので、シルクロード旅行の行程に入れるかどうか、悩み人も多そうだ。

自分の苗字と同じ街ということで、記念にホテルも「和田（ホータン）賓館」に泊まることにした。・・・が、到着したのは北京時間、夜12時過ぎ（新疆時間だったら10時過ぎ）。

遅すぎたのがいけなかったのか、いろいろ・・・。

14時発のホータン行きバス。バスターミナルに到着したのが出発10分前を切っていたので、大慌てで乗り込んだ。

・・・割には写真撮影とかしていたりするんだけど。

カシュガルを離れる時間が迫る中、いきなり思い出してしまったことがあった。

解放北路の東側の職人街というか市場のようなところは歩いたが、西側には行っていなかった。地球の歩き方には「カシュガル職人街詳細MAP」なんてのもあるというのに！

色満賓館から西域広場（大きなロータリーがある交差点）までの間の人民西路沿いには、高級レストランが多い。

一人旅行者にはちょっと入りにくい店が多いのだが、広場近くのこの店はけっこう混み合っていて、入りやすかった。

今回の旅行では、鉄道でカシュガルまで行き、そこから折り返す形で、タクラマカン砂漠の南側を通ってウルムチまで帰ってくるというルートにした。天山南路北道、天山南路南道、そして最後は河西回廊を通ってシルクロードの入口である西安に到達する予定。

旅行先でうろうろ、ただ街中を歩きまわっていると、結構いろんなシーンに出くわして「ラッキー」ということがある。ストイックに観光地巡りをしていたらなかなか体験できないことも。

カシュガルでは、人民公園で出くわした市内中学校のイベントだ。

大きな町にはどうやら必ずあるらしい「新華書店」。カシュガルでは、人民西路の途中にある大きなロータリー（確か「西広場」）近くにあった。

そしてまたホテル移動。
カシュガル２泊目は、「色満賓館」にした。

日曜バザールから見えたエリアは、地図に「高台民居」などと記されていたところで、人民路からも見える、レンガ造りの家が高台にびっしり張り付いているような一角。

近代的なビルがどんどん増える中、非常に目を引くエリアになっていた。

腹がへってはバザール歩きができない・・・というか、空腹で歩くと屋台群にひきよせられて過剰な食べ歩きをしちゃいそうなので、先に食堂に入って朝食をとることに。

日曜日は、カシュガルで大規模なバザールが開かれる曜日。ただ先にバザール行っちゃうと体力使い果たしそうだったので、その前にカシュガル市内の観光地のひとつ「アパク・ホージャ墓」に行ってみた。

カシュガル初日の夜、赤ワインを一本買ってきて部屋で飲むことにした。めでたいことがあったわけではなく、どちらかというとやけ酒。飲まないとイライラしてしまいそうな理由は、パソコンの故障だった。

解放北路に面したエイティガール寺院。
巨大なモスクで、ガイドブックによると、イスラム教の祭日には数万の人がここを訪れるとのこと。

鉄道旅で少し体力消耗したので、豪華なお部屋で仮眠してエナジーチャージ。若い頃と違って、こういう時に無理をしなくなったなと思う。

あこがれのカシュガル！ということで、ホテルは奮発。
広い敷地の中にいくつもの棟がある庭園式の「喀什噶爾賓館（カシュガルホテル）」。

結局、始発駅以外では指定席はほとんど無理とガイドブックにあったのは正しく、座席指定なしの二等席「硬座」しかとれなかった。

寝られるかなあ。荷物置く場所があるかなあ。

なかなか大変だったのが、クチャ→カシュガル間の移動。

まず第一に、ウルムチでこの区間の列車チケットを先に買っておこうとして失敗したこと（キャンセル手続きをするはめに）。

クチャは一泊二日だけの滞在なので、とにかく市内の観光スポットだけはまわることにした。今ひとつだった王府は前日まわっているので、残るはイスラム教伝道師のお墓「モナエシディン・マザール」と「亀茲古城」。

２つの金曜バザールエリアをかなり歩き回って、思い切り体力消耗してしまった。

なのでお昼ご飯は、前から気になっていた「砂鍋」を食べることにした。

今回のスケジュール組みで最も優先したのは、金曜日のクチャのバザールと日曜日のカシュガルのバザール。ガイドブックによると、かなり大規模で“必見！”ということだったので。

クチャで初めて、インターネットカフェがどんな感じなのかを知った。
ウルムチ市内でも「たくさんあるって聞いていたのになあ」と思いながら探していたのだが、単に探し方を知らなかっただけみたいだ。

その後、バスで移動。

バスの乗り方はどこも同じかと思ったらちょっと違った。ここでは、バス内に乗車券売りの女の子がいて、１元払うとこんなチケットをくれる。

クチャも大きな町だが、ウルムチなどと比べるとやはり車も人の数もずっと少なく、三輪トラックや荷車を引いたロバ、羊の群れなどが、普通に通りを走っている。

和田（ホータン）からウルムチまではバス。24時間かかるということだったので、少し料金が高い「豪華寝台バス」チケットを購入。

ウルムチ行きのバス出発時間が17時なので、それまでの間にもう一箇所まわれるな、ということで和田博物館へ。

若い人だけでなく、結構いい年したおじさんたちなどが集まって、真剣に携帯を売買している風景がどの町でも見られた。種類が多いせいか、あるいは新品が高いせいか、中古の携帯の売買がかなり活発に行われているようだ。

和田（ホータン）で長距離バスの時間までちょっと暇になったので、食べてみたかった「おやつ」に挑戦。ま、単に歩きすぎて、そろそろ足がきつくなってきただけってのもあるけど。

タクラマカン砂漠の南側には鉄道が開通していないので、バス旅となる（空港もあり、ウルムチから毎日便がでている）。

和田での二泊目は、繁華街の中心の交差点の角にある、江苏大酒店にした。ここ、オススメ！周辺にはお店がいっぱいあり賑やかだし、二箇所のバザールにも歩いていける。

前の夜に残したカップめんを、朝ごはんとして食べることにした。
寝台列車の中で、朝、大勢の人がこんなのを食べていた。カップめんなのに、驚くほどスパイシーな香りにびっくりした記憶がある。

はっきりいって今回はかなり多い。まず第一に、パソコンとビデオカメラを持ってきてしまっていること。第二に、かなり寒い時期にずれこんでしまったので、厚地の寝巻きが必要になってしまったこと。

「服装はどうすべきか」

すごく悩んだ。そもそも砂漠地帯ということで、朝と夜の温度差が大きいらしいが、ガイドブックによると、秋はいっきに氷点下の冬に突入するとあった。

ここでも、最初気づかないが、街歩きしながらよく看板を見ていると、インターネットカフェがそれなりにある。

写真は、繁華街の中心の交差点近くの、バザール入り口すぐ左あたりで見つけた看板。
３楼（３階）にあるらしい。

予定通り和田にもう一泊するか、それともせっかくバスでタクラマカン砂漠の南に来ているのだから、もうひとつくらい小さな町に立ち寄ってそっちに泊まるか・・・。

しばらく悩んでいた。

ウルムチ以来、どの街に行っても「和田玉」の看板を見かけないことはなかった。タクラマカン砂漠の南にある街「和田（ホータン）」は、玉（ぎょく）と絨毯で有名な街だった。