そういう所に泊り慣れていない日本人だと、ちょっとひいてしまうかもしれない雰囲気がある。
「シングル1部屋ある?」
「シングルはない」
「じゃあ、シングルじゃなくてもいい」
「それなら・・・」
値段聞いてびっくり。
60元だった。
日本円にすると1000円。地球の歩き方を判断基準にすると、ドミトリーかどうかの境目あたりの価格だ。
「それ、ドミトリー?」
「ドミトリーがいいのか?」
「いや、そうじゃないんだけど・・・」
どうやら、トイレとバスは共同のツインらしい。
外から見たらかなり大きな建物だったが、奥行きはなかったようで、まっすぐな廊下の両脇に部屋が並んでいる。なんか病院の入院棟みたいだなあ。
こういう仕組みは自分初めてなんだけど、部屋番号が書かれたアルミ製のタグみたいなのが渡され、部屋に入る時は、都度、その階の服務員(ハウスキーパー)にそれを提示し、鍵を開けてもらう。ちょい面倒。
部屋はこんな感じ。
決してきれいではないが、汚くもなく、なかなか広くて日当たりもよく、自分的には全然OKなレベル。あ、ネットつながらないけどね。
「これもあるから使ってね」
服務員の女性が指さしてくれた。
ありがとう・・・でも使わないかも・・・。
(前のホテルから使い捨ての室内スリッパを持ってきておいてよかった)
窓の外の風景がなかなかよかった。
ウルムチ駅と、その前の大通りが目の前に広がっていた。
(3階で、写真の下のほうに写っているのは、たぶんホテルかレストランの看板)
ここでもうひとつびっくりした。
駅の向こうに見えるのは一体何???
わお!!!
この都会風景のすぐ向こうに、赤茶けた岩山!
20歳のころ住んでいたエジプトのカイロを思い出した。
見渡す限り水田が広がっていた水郷地帯「ちばらぎ」で育った自分にとって、風景の中に「高い山」があるというだけで新鮮なのだが、いきなり砂漠ともいえるような風景が迫っているというのは、ものすごい違和感がある。
なにはともあれ、「シルクロード」をやっと少し感じることができた瞬間。
> 続く