蘭州が近づいてきた。
ウルムチから西では、ずっと荒涼とした風景が続き、だんだん綿花畑などが広がり始めると突如“街”という感じだったが、さすがに蘭州近くは、郊外にも建物や工場が多く、徐々に大都市に近づいているような車窓風景だった。
しかし妙に気になることがひとつ。
太陽は既にかなりあがっているのだが、なんか全体的に暗い。
暗いと言うか、かすんでいる。
天気悪いのか?と思ったが、太陽が雲に隠れているというわけでもなさそうだ。
そして、北京時間9時過ぎ、蘭州に到着した。
何が入っているのか全然想像もつかないんだけど、とにかく大きな袋を担いだ乗客たちが降りてくる。20代前半くらいの女性が多い。
背負って階段をてくてく降りていけるくらいだから、重たい物質が入っているわけではなさそうだけど、(一度、階段のぼっていた時にいきなり前方から転がってきて、私がおさえたことがあるが、そんな重たくなかった)、なにが入っているんだろう?
行商?
やはり蘭州も大都市で、高層ビルがにょきにょきと林立している。
おそらくマンションなんだろうなという新しい建物も多く、同時に、列車の窓から見たときには、その裏手に、朽ち落ちそうな古いビルや、雨漏り防止なのか、屋根にビニールシートを敷き詰めた古い建物も密集していた。
駅前はにぎやか・・・なんだけど、ここも寒いっ!
蘭州では宿泊せず、とりあえずお昼食べて黄河見たら、午後の列車で西安に向かうつもりだった。なのでまずはチケット購入。
さすがにここまで来ると、列車の本数が半端じゃなく多い。
上海行きでも、南京行きでも、西安は基本的に通るので、どれに乗ってもよく、また座席も寝台のほうはだいたい残席ありだった。
少し早めの時間帯だが、14時23分発の西安行き。
そしてまたしても贅沢なことに、一等寝台にしてしまった。
よく考えたら、時間は7時間半と長いものの、夜10時過ぎには西安についてしまうのだから寝台にする必要なかったんだけど。
蘭州駅。
やはり車窓から見たとき同様、町全体がもやに覆われたような状態。
ガイドブックには、工業都市としても有名で、大気汚染などの公害でも話題に上がる町と書かれていた。
もしかしたらこれはスモッグなのかもしれない。
だとしたらすごい・・・だって高層ビルの上のほうが見えないくらいなんだから・・・。
列車で移動しているせいかもしれないけど、「銀河鉄道999」に大気汚染で覆われたスモーキーな星が登場してたよなあ・・・とか思った。
荷物は、駅の一角にある(建物の外側に入り口がある)「寄存処」に預けた。
料金は6元(約90円)。
敦煌から西安までは距離がかなりある。
時間節約のため、寝台列車で移動しながら街中観光というプランを考えていたとき、一番ネックだったのは「荷物(キャリーバッグ)をどうする?」ということだったんだけど、駅ごとにある「寄存処」を使えば安心だ。
荷札を受け取って、身軽な姿で街中へ!
蘭州にはこんなバスも。
駅をでて左手のほうに、バス停がある。
蘭州は、黄河に沿って、東西に長く細く延びた街のようで、バスの路線も結構複雑。
ガイドブックだけでは、どのバスに乗ればいいかわかりにくかったので、すぐ近くのキオスクで地図を一枚購入。
「南関什字」と言うところまで行き、繁華街をてくてく歩きながら牛肉面など食べ、そのまま黄河沿いにでて、ケーブルカーで対岸に渡ることにした。
地図も横長。
> 続く