今回一緒になったのは、中国人の夫婦。
最初、話しかけられたけどわからず「中国語できないんです」と言ったきり、まったくコミュニケーションなかったんだけど、食堂車から戻ってきてにっこり会釈したら、ふっくらした奥さんのほうが、笑顔で自分のベッドをたたきながら、「ここにどうぞ座りなさい」と。
私がずっと上のベッドにいっぱなしなのは、二人に遠慮してるからだと思ったのかも。
「言葉が通じないときは、食べ物で好意を示せ」
自分がはじめて海外で生活をした時に学んだことのひとつがこれだった。
かばんからミカンを取り出し、ふたりに進めてみる。
「いや、私たちはこんなにたくさん食べモノを持ってきちゃったのよ。だからいいわ」
丁重に辞退されたがそれも納得で、ふたりのベッドの間には、「ほんとに終点までに食えるのかよ!」というような、大量の食糧があった。明るい奥さんにやさしそうな旦那さん。仲がいいみたいで、途中、ずっとおしゃべりしながら、二人でずっと何かを食べ続けていた。
私がもらったのはこれ。
皮ごと食べ、りんごに近い食感だ。
名前を紙に書いてもらったものの「?」だったのだが、西安についてから判明。なつめだった。乾燥したものしか食べたことがなかったのでわからなかった。
今回も食堂車に行ってみた。
これがメニュー。
食堂車では、乗務員が座っているテーブルがあるので、そこに行ってメニューを見せてもらい、お金を払って食券を買う。
なじみのある料理ではないが、ありがたいことに、文字でだいたい中身がわかるものばかり。そして、前に乗った列車の食堂車より高く、15元・25元。
適当に頼んでみたら・・・
イカをネギなどと炒めたものだった(たぶん)
イカはそんな好きじゃないんだよなあ・・・と思ったが、なかなかいける。途中で「イカ?イカだよね?」と疑問に思うほど、さくさく噛み切れた(もしかしたらイカじゃなかったのかも)
何回か買おうとして、呼び止めに失敗したのがワゴン車。
かなり頻繁に回ってくる。
飲み物やお菓子、カップ麺などを売っている。
これとは別に、車掌さんが、懐中灯とか新聞とか、牛乳とかを売ってまわっていた。
通路の折りたたみテーブルの下あたりに、電源もあった。刺さっているのは携帯用の予備バッテリーだ。街中でたくさん売っているのを見かけたことがある。
そして、夜22時過ぎに西安到着。
今回の旅行、長距離の都市間移動はこれで終わりだ。
駅看板やプラットフォームなどを撮っていたら、
自分がいたコンパートメントのカーテンの向こうで何かが動いているのに気づいた。
奥さんが、あたたかい笑顔で手を振ってくれていた。
中国語会話本を片手に、話をさせてもらった二人。
旅の途中で出会った人のほとんどは、
もう二度と会うこともない人たち。
なんか、ぐっときてしまった。
> 続く